購買履歴共有サービスの今後〜BlippyからNagisaまで〜

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3/8、samurai incubate fund2号がファンド2号となる投資案件を発表した。

Samurai Fund2号がNagisaに投資–購買情報共有サービスを3月末にも開始


「様々なECサイトでの購買履歴を時系列で公開し友人と共有できるサービス」で
「アフィリエイトが主な収益源」らしい。
日本版Blippy、Swipelyといったところであろうか。

■Blippy、Swipelyとは?


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Blippyなどの記事は時系列旬に下記の通り。

クレジットカードでの買い物を友だちと共有するサービスBlippy

買い物情報共有サイトBlippyはAPIを公開して強敵Swipelyに対抗
Blippy, ストアブランドをソーシャルネットワーク化して躍進

Blippyは上記記事のによると下記が数字スペック。

調達額:約12億円
購入総額:約60億円
顧客件数:260万件

購買履歴情報共有の「プラットフォーム」サービスである。
ちなみにSwipelyとBlippyは3記事目の
「ストアブランドをソーシャルネットワーク化」
以外の違いは正直パッとサイトを見てもわからない。

■購買履歴情報共有プラットフォームモデル分析

☆収益モデル

1.広告

多くの記事で見かけたのが
とりあえずはアフィリエイトで食いつなぎ
ユーザーの購買履歴に元づく
精度が高いターゲティング広告に期待しているようである。
PFが拡大すれば少しは期待できるのかもしれないが疑問が残る。

2.課金

このモデルで生まれる流れは
「友人が買った物に興味を持ち同じ商品や類似商品を購入する機会が増える」
買い物のセレンディピティのオポチュニティが増大する、という流れです。
よってGrouponほどの大安売りはしなくても
Blippy経由での認知での購買に関しては
購入者に5%、Bippyに5%くらいのキックバックはあっていいかと思います。
広告でまともに収入を取りにいくよりこっちをメインにした方がいいかと。

☆ユーザーインセンティブ

米国でも賛否両論があるらしく
なんのために購買履歴を公開するのか?
記事にもあるようにセルフブランディングの一環として
「こんな本買ってるんだぜ、俺」や
友人にわざわざ呟いたりしてお勧めするのが面倒で
自動的に支払い履歴を公開して友人が見てくれれば
コミュニケーションのネタになる。などがあるかと思います。
インセンティブなんていったらツイッターなどなんのインセンティブもないですが
プラットフォームになっていますし
心理的インセンティブはありますが
Grouponのような金銭的なインセンティブもあれば
浸透する可能性が高いサービスであるといえます。

☆この事業で広がるのはEC市場。Bllipyはソーシャルコマース。

Grouponがソーシャルコマースと騒がれましたが
僕は前時代的な生協を現代風に解釈したものにすぎないと思っており
真のソーシャルコマースはBlippyのようなサービスであると思います。

Blippyストリームは2本あります。

①自社PFで購買履歴情報だけのTLを見る。

購買履歴情報だけ流れてくるので余計な情報が流れないが
キャズム越えするまではアーリーアダプターしかサイトに集まらない。
Quoraよりは伸びしろがあると思いますが。

②BlippyをFBやtwitterにコネクトさせてトラフィックを増やす

ウォールやTLの情報が多すぎて埋もれて視聴率が下がる傾向に
既にかなりはなっていると思うのですが
それでもサービスをメインストリームに寄せてキャズム越えさせるには
この手は避けることができません。

知り合いが購入した物を「like」すれば安く購入できるとか
そういうインセンティブをつけると伸びるかもしれません。
それは各ストアとBlippyの交渉でしょうが
ストア側もBlippy経由での売上が増えれば嬉しいはずなので
5%10%の割引は十分に考えられると思います。

この施策を導入できるかどうかは交渉力と資本力の問題で
そこが強い会社に優位性があると思います。
ストア交渉力ではパッと見の上記記事だけだとBlippyに優位性がありそうです。

■結論

購買履歴情報共有サービスは
金銭的なユーザーインセンティブがあれば爆発する可能性はある

1.事業者側の収益モデルは広告主体ではなく課金主体へシフトすること
2.ストアへの交渉による金銭的インセンティブ導入
3.仮に上記が不可な場合は金銭的インセンティブを事業者側で負担できるほど
広告宣伝費を使える資金力があるかどうか

この辺がKSFとなるかと思います。

■Nagisaについて

上記の戦略を日本の有力ストアと組んで実施していければ
Blippyなどが上陸する前に国内でメインストリームになれる可能性はあります。
楽天やZOZOと「早期に上記アライアンスが組めるか」がポイント
になるでしょう。

■今後の流れは「PF of PF」

個人の実名アカウントとしてのFBやtwitterへのコネクトを前提として
自社サイト(アプリ)へのトラフィックを増やしていく
「PF of PF」モデルが最近増えていて、今後も増えるだろうなと思います。
このモデルで成功しているのがinstagramだと思います。



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