フリマアプリユーザーとPatoのキャストのペルソナは同じ:エンジェル投資家たちの注目領域

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B Dash Camps2019Spingのセッションですが、下手なVCの話より、実績あるエンジェルの見ている景色の話の方が断然面白そうですよね。

セッション:
注目の起業家兼エンジェルがいま注目していること

スピーカー:敬称略。エンジェル投資件数
赤坂優:40-50件
堀井翔太(ANGELPORT):20件くらい
松村映子(プラチナキャリア):10件未満?

モデレーター:
手嶋浩己(XTech Ventures)

ちなみに、このセッションはスライドのテキストを箇条書きというか、各自の回答が端的にスライドでテキスト化されていて、それを深掘りするスキームだったのがとてもわかりやすかったです。記事化もしやすいですしね。モデレーターの力量でしょうか。

各自のコメントの8割型はスライドのテキストの書き起こしです。自分がログミーになった気分というか、AIに書かせた方が良さげなセッションでした。

各エンジェルの投資先一覧

赤坂さんの投資先は、エンジェルポートをスクショしたものと、セッションのスライドのスクショを載せると下記。

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堀井さんは下記。

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松村さんは少なかったので、割愛。D4VとかのVCにLP出資もしているようです。

創業者の根性、バーンレートの低さが大事!

Q:問い合わせ来た中でどれくらい投資しているか

赤坂:テキストで見て投資をしないのが全体の9割、残り1割とお会いして、そこで30%くらいの投資。問い合わせが来た中で3%くらいに投資。

堀井:15-20社中1社

松村:1%くらい?連絡はたくさんいただく

Q:自分の中での投資基準やルール

堀井:個人的にプロダクトを開発する際に「誰のどんな問題を解決するのか」といったイシューを深掘りするためだが、自分が見れない「イシューと解決方法」を学ぶため。そのイシューと解決方法が良い筋と思えたときは応援したいため・自分以外の起業家の「プロダクト開発」、「経営に関する意思決定や打ち手」を学ぶため。

赤坂:
1.マーケット、課題が存在する
(課題解決のアプローチは間違っていても最悪どうにかなる)
2.成功角度の高さ、小さく終わらない
(2つのバランスが良いときに投資する)
3.経営者が顧客に寄り添える
4.実現したいことと経営者の得意(チームの得意)がマッチしている
5.バリュエーションが適切
他:少し生意気だった、夢がある、自分のスキルや経験を活かせる

1-5は全て満たしていることが必要

松村:
1.創業者の根性と実行力と相性
2.市場選定
3.タイミング
4.チーム(他投資家含む)

根性がすごい大事で、重視している。

Q:根性は1時間の面談でどう判断するのか

松村:投資する場合、ウェットなコミュニケーションをとるようにしている。お茶したりチャットしたりして。

赤坂:面談で根性はわからないので、投資後にわかったりする。

堀井:バーンレートが低いことが大事。VCが用意しているオフィスに寝泊まりしていると根性あるとわかる。

有望な投資先:AI献立アプリのタベリーが人気

堀井:10Xが運営する「タベリー」

・創業者の矢本氏のPMとして能力の高さが群を抜いている
・初期メンバーのエンジニアの技術レベル、ソフトスキルが高く総じてチームのレベルが高い
・問題解決しようとしている市場の無消費が多く、潜在的に大きな市場にトライしている

生鮮ECにチャレンジしていく。このプロダクトが便利になれば、チャンスある。

赤坂:
SmartHR:ペインがあった。サービスの開発がリーンで早い、toBで一見すると地味に見えがちだがPRなどを上手に使い採用力が高い、宮田さん凄い。

HERP:ペインがあった。庄田さんの順応性が高い。toBで一見すると地味に見えがちだがPRなどを上手に使い採用力が高い。

Payme :ニーズがあった。後藤さんがとにかく凄い。

10X:ペインがあった。サービスのPM力としても矢本さんがとにかく凄い

ハロー(AutoReserve):ニーズがある、誰もやっていない、早い、播口さんが良い意味で適当。笑

松村:全部成功すると信じてる。信じなければいけない。そしてそこに向けてステークホルダーは最大限努力すべき。

綺麗にまとめましたね…

EXIT組エンジェルが考える、成功する起業家の要素

Q:成功する起業家の要素は

松村:根性、勤勉、実行力、巻き込み力。全てあると良いなと思っている。

堀井:要素はいくつもあると思うが、最近の身近な学びとして感じた部分でいうと「気づきを得る訓練」をしている人。着目した事象が起きている「因果関係」を調査し、起きていることの背景や因果を考察し、自分なりの言語に落とし込めること。

そのためにユーザーインタビューや実際の事象を体験したりといった観察してインプットすることを習慣化している。

ちなみに堀井さんは、デプスインタビューマニアというか、ユーザーインタビューめっちゃするそうです。

赤坂:
1.リーンで早い(すぐやる、すぐやめる、たくさんやる、考えながら走ってる)
2.順応料が高い(経営者は毎日新たな課題が降りかかる、新しいことに馴染むのが早い)
3.思考時間が長い(毎に毎朝毎晩ずっと何かについて考えている)
4.チームマネジメントが上手(採用力ある)

Q:自身で事業のみをやっていた時と、今で事業への着眼点や伸びる事業の見極め方変わったか

赤坂:自分がやるべきか考えるようになった。得意不得意は大事な要素だなと改めて感じた。辛くても辛く感じないとか、飽きないとか、投資先を見てて思う。

堀井:自分がその人のやり方を真似るより、自分のスタイル以外は実行するのが難しそうだなと再認識した。

松村:広い視野を持てるようになりました。自分はもう老害だなと実感するようになったw

エンジェルが注目している領域:D2Cなどいろいろ

Q:エンジェル投資先の状況などポートフォリオを見る中で、この領域や文脈の事業は伸びるというのはあるか

堀井:外国人労働者の雇用や労働環境に関する市場、日本としても少子化含めて長期的に避けて通れない問題かつ勝手に伸びていてまだ問題が多い。ここ5年以内でプレイヤーが増えるのでは無いかと思う。

赤坂:カルチャーや何かしらの宗教性があって、ニッチ過ぎないマーケット。アートとサイエンスのバランスが良いD2C。

松村:得意分野としてはEC、D2Cは注目しているが、定義として揺らいでいるので、ECとした。

手嶋:花やお菓子のD2Cが伸びているらしいと聞いていますね。

松村:今まで大粒だったものを細かく小さく切り出したもの。モノのシェアリングとか、保険とか、お金とか、時間とか。スマホで繋がることで、小さなモノの売り買いがしやすくなったのが革命だと思う。

赤坂:シェアリング全般。まだまだ誰かの何かを貸せないかな?と思っている。売り買いではなくレンタルという文脈でもまだあると思う。

赤坂:Z世代のニュースやエンタメ。明らかにTVからソーシャルとネットTVになったので新しいメディアが出てきても良いタイミング。Abemaとかめっちゃ見てる。Abemaだけじゃないはず。インスタのストーリーベースのメディアとか面白いかも。

手嶋:中途半端な規模だと成立しないと思うので、メディアは規模が必要そうですね。

松村:ブロックチェーン、AI、VR/MR、ドローン

堀井:今後の格差社会の格差がひどい方のユーザーの生活を支えられるような領域。Patoのパパ活やフリマアプリなどはある意味そういった受け皿になっている。

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フリマアプリのユーザーは経済的アップサイドを作りにくく、お金はないけど時間がある人が多かった。Patoとフリマアプリのユーザーのペルソナは似ている。経済的アップサイドを作れない中で、(副業的な)切り口はあると思う。Patoに投資しているが、めちゃくちゃ伸びている。

梅木注記:Pato様は2019年5月のみ、Umeki Salonのスポンサーです。

赤坂:アイデアがあり、初期は半人力だが情報が集積されるサービス。その後AIベースに展開可能な、変数の少ない事業モデル。インスタのストーリーズを活用したり、何かを無料化したり。

赤坂:ペインの明確なBで採用コミットできるパターン(SmartHRやHERPのように、HRだけでなくトラディショナルな業界を狙ったBはまだあると感じる)

今後もエンジェル投資を続けていくのか

Q:今後、自身の事業とエンジェルをどう並立させるのか

堀井:自分の事業がメインで、エンジェルをやめるつもりはない。投資先を継続して発掘できるようにしたい。それ以外はエンジェルポートを拡大して、スタートアップコミュニティに入れていないような起業家などの無消費層に対しての支援や、シンジケート投資など有名エンジェルがレバレッジかけれるようにしたい。

松村:エンジェル投資はライフワークかつ社会貢献。起業家趣味と実益を兼ねた好きなこと。スタートアップをやっていく中で得た資金はスタートアップのエコシステムのために使い、自分の生活費や趣味などは自分で稼いだ資金でやりくりするスタイルです。

赤坂:そこにかかる時間的なコスト<学習がある限り、エンジェル投資していきたい。このバランスが壊れたら自分の事業にフルコミットしたい。

梅木の感想:かなり密度が濃くてわかりやすくて良いセッションでした。他のセッションもこういう感じのが多いと嬉しいのですが笑

自分でももう一度読み返して、こういう領域が伸びそうだなとか考えたいセッションですね。濃厚すぎました。



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