忙しいことがクールだという風潮はダサい

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お偉いビジネスマンから、栽培マンまで、なぜか日本人は「忙しいことが偉いという美徳」というような風潮がありませんか。

昔から違和感があったことで、私は基本的には「暇」アピールをしています。実際にキャパシティが100%をオーバーすることはなく、どんなに忙しくなっても80%までの稼働です。80%を超えてくると「忙しい」を認識し出し、周囲に「最近忙しい」と正直に話します。

「忙しい」という台詞は多くの意味が込められていると思います。

busy

1つ目の意味として「忙しい自分」は多くの人から求められていてカッコイイと錯覚していて、自分に酔っているのではないか。裏を返すとキャパオーバーなほど仕事を抱え込んでしまうことで、関係者に迷惑をかけてしまうリスクが発生します。「最近、忙しんだよね」という表情には、ややドヤ感が滲み出ることが少なくなく、私はその微妙な表情をしっかり捉えています。

2つ目の意味として「社交辞令としての忙しい」が挙げられます。これはお誘いを断る際に、非常に申し訳なさそうに「ごめんなさい最近忙しくて」的な感じで断ることがあると思います。これは相手を傷つけないためでもあるのですが、じゃあ暇だったらその相手に時間を作るのでしょうか?私なら本当に時間を作りたい相手であれば、どんなに忙しくても時間を空けます。忙しさから断るというのは、率直に言うとあなたに興味がないという意味であり、彼の時間が仮に空いても、その時間が「忙しいから」と断られた人に充てられることはまずないでしょう。

私は稼働時間は50-60%くらいが適度かなと思っています。その稼働とは実務を伴う時間であり、会議であったりメール返信であったり、企画書や記事を作成したりというのが「稼働時間」。残りの時間は「思考時間」として確保して置かないと、次の打ち手を生み出せなかったりします。

この「思考時間」は栽培マンには信じてもらいにくいのですが、社長にとっては「経営者同士で遊ぶ時間」が多く含まれます。社内にいて社内のメンバーと議論するより、他社の経営者とかと遊んでいた方が、違った視点を取り入れられ、閃き機会が圧倒的に多い。それは、西麻布のラウンジでAM3時にミスチルを歌いながら閃くことかもしれませんし、銀座で鮨を食べながらの話かもしれない。

これは一見するとただ遊んでいるだけです。というか、遊びです。しかし、その経営者同士の遊びからの方が、社内の会議室でうんうん唸っているより、遥かに良いアイディアや事業を伸ばすヒントを得られることが、あくまで私の経験則からは多いです。これは結構同意してくれる経営者が多いのではないでしょうか。

目の前の実務に忙殺されるのではなく、思考時間を設けることができている経営者の方が有能であると思います。経営者の仕事の多くは、次の打ち手を考えることであり、実務は現場に任せるのが普通です。暇そうにしてる経営者を見ると「さすがだな」と私は感じます。

「忙しい」に話を戻すと、過度な「忙しいアピール」は相手を不快にさせてしまうでしょう。「そんなに忙しい人の時間を取らせてしまって申し訳ないな」という気分になってしまうのです。「忙しいアピール」は相手への配慮を欠いており、「忙しい俺」に酔っているナルシシズムが勝ってしまっている状態といえます。

ということで「忙しいアピール」はいろんな意味でダサいよという話でした。私が「忙しい」というときは1年のうち合算しても1ヶ月くらいしかないレアな期間ですが、気をつけたいと思います。常に余裕のある人でいたいものです。



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