多様な表現手法による「MHT(月間はあちゅう時間)」の最大化がクリエイターの収益機会

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はあちゅうが私の夜中のツイートをまとめてくれていたので、もう少しこのトピックについて深掘りしていきましょう。

「月額モデル」「未完成品」でクリエイターが生き残る方法(試行錯誤中)

前提として、はあちゅう・イケダハヤト・梅木雄平は多少ビジネスモデルが類似する点があります。この3人が他の同世代のライター陣と一線を画しているように思われるのは(って自分で言うなよ)燃えるコンテンツを作れるメンタルの強さが共通点していると言われていますがそれは表面的なことであり、本質的には皆自分のホームグランドをしっかり耕している点が共通していることが重要かと。

はあちゅう

*こういう記事出すときのために、イケダさんとのスリーショットverも欲しい。

寄稿偏重のライターは中長期では食えない

はあちゅうとイケダさんはとてつもない本数の記事をブログに蓄積していき、特にイケダさんはアフィリエイトもしっかりやっていて、ブログ単体でかなりの売上を出しています。はあちゅうはブログに加えてタレント業的なこともやっており(TV出演とか)タレント的な収入もあるのだろうなと。

一方で私はTheStartupを「メディア」と言い張ったおかげで、TheStartupは「メディア風な」仕上がりとなり、その見せ方によってグノシー・Antenna・NewsPicksでは公式メディアアカウント認定されています。媒体特性から派生させてB2B領域を強化し、メディアプロデュースやM&A仲介など単価の高い領域の仕事を手がけてきました。

3人ともホームグランドがあってこそ他の仕事へと拡がっていったのだと思います。他の30歳前後の書き手で、自らのホームグラウンド、いわば強いオウンドメディアを持つ書き手は存在せず、ライターは何かしらの媒体に寄稿するという形式をとる方がほとんとです。

たしかに短期的には原稿料は稼げるのでしょうが、強いオウンドメディアがなければそのクリエイターに積み重なるものがさほど多くないのではないかと思います。私も東洋経済や宣伝会議に寄稿したことがありますが、他媒体への寄稿実績というのはショートケーキでいう上に乗った緑の草っぽい程度のお飾りにすぎず、イチゴにはなれません。

長期的に考えると、文章を書いて暮らしていきたいクリエイターはオウンドメディアでマネタイズするのが一番です。雇われリスクもないですしね。

サロンモデルの構築:個人での集客力と運用力が鍵

我々3人に共通する強い収益モデルが有料オンラインサロンであることは本紙の読者であればご存知でしょう。

私は2012年4月にUmeki Salonを、はあちゅうはたしか2013年7月頃にちゅうもえサロンを、イケダさんはたしか2015年には入ってからブログ塾というサロンを開講。簡単に算出できますが、3人ともサロンのみで月次粗利100万円以上を稼ぎます。3人のサロンの種類は様々ですが、コミュニティ化であったり、コミュニケーションであったり、塾のような師弟関係によるコーチングなりで、様々な価値を換金化しています。

当初はこのサロンモデルもそれなりに揶揄された気がしますし、なぜお前のサロンに課金するユーザーがいるのだ?と言われたこともあります。しかし、それはやってみないとわからないことで、フットワークが軽くPDCAが速い人が先行者メリットを享受でき、結果的に勝てるのです。批判するのであれば、批判される側の方が圧倒的に得なんですよ。

堀江さんのような著名人がサロンをやって売上が立つのはまだしも、我々(といっていいのか?)のような一般人(いや、プロブロガーもいるか)でも十分な収益を構築できていることをみて、後発での参入はより増えるでしょう。しかし、多くのライターは強いオウンドメディアを持っていないため、我々並みの集客力はなく、100人も集まらない場合がほとんどだと思います。

さて。サロンというモデルを成立させた後は、我々はそれぞれのやり方でサロンの運用を最適化し、収益を伸ばしていくと思われます。実際にUmeki Salonも2年目は200人前後をうろうろしていたのが、オープン化によるプラットフォーム構想(要は業界の著名人たちは無料で入会いただく)以後に急激に会員数を伸ばし、半年で2倍以上になりました。

しばらくはサロンモデルは安定すると思います。Umeki Salonでも来年は次の一手を考えています。一方で、次のビジネスモデルの種を仕込こむ必要もあるのです。

月間はあちゅう時間(Monthly Ha-chu Time)を意識

だいぶ前置きが長かった気がしますが、これが本論。我々のようなクリエイターの新しいビジネスモデルを考えましょう。

<従来のクリエイターの売り物>

・完成したコンテンツ(記事、CDなどの曲)
・ライブ体験(LIVE、AKBの握手券、サロンでのオフ会)
・付随するグッズ(写真集、タオル)
・ファンクラブというパッケージ(先行チケット販売、季刊誌)

最近、CDが売れなくなった一方でライブの需要は高まっていると聞きますね。ライブも規模が小さい握手会やオフ会であれば、コミュニケーション需要と言い換えることができると思います。単純なLIVEは雰囲気を味わいたいとか、生音を聞きたい・生でアーティストを観たい。的な需要かなあ。

<今後のクリエイターの売り物>

前提:様々なチャネルで細切れの時間でもユーザーと接することができるコンテンツ(分散型メディアの発想)

・電車で移動しながら聴ける10分以内のラジオ
・デート感覚を味わえるC Channnel的な1分以内の縦長動画
・ミュージシャンであればレコーディング動画などの曲の制作過程
・プライベート切り売り(フライデーモデルのオウンドメディア化)

ざっくり考えるとこんな感じ。前提として、より多くのチャネルに最適化したコンテンツを出せるクリエイターが有利です。インスタに強いとか、twitterは苦手とか、得意不得意はあるでしょうが、五角形チャートの如く、そのクリエイターのチャネル最適化力が測られるようになり、その五角形が全体的に大きい人が勝てる。YouTubeだけ強いとか、そういう人は一発屋にはなれますが、他のチャネルに最適化できなければ、短期政権でしょう。

ただ単に、Facebook、twitter、Instagram、LINEというような拡散チャネルの最適化だけではなく、コンテンツ表現方法として動画や音声(ラジオ)を模索してそれをユーザーにリーチさせることで、クリエイターはユーザーに対する接触頻度ないしは接触時間を最大化させることが鍵かと。

はあちゅうコンテンツの事例をとっても、電車で移動中はラジオっぽいやつを聞いたり、一人で吉野家で牛丼食べながらブログ読んだり、信号待ちの時にインスタ見たりとか、3秒、1分、3分、5分など様々な長さで咀嚼できるコンテンツを多様なチャネルでばら撒いています。私ははあちゅうのストーカーではないので、彼女の情報を全て見ているわけではないですが、少なくとも「はあちゅうコンテンツの消費」に月1時間は費やしているはずです。略してMHT(Monthly Ha-chu Time)とします。月間1時間だと、私にとってはLEONを読む時間より消費していますよ。

今後クリエイターは「ユーザーがそのクリエイターのコンテンツに様々なチャネルで接触した累計時間(要はMHT)」をKPIとしたほうが良いでしょう。記事のPVだけで測るのはもはや本質的ではありません。クリエイターの作品を、ブログのようなオウンドメディアに見に来てもらってもいいし、twitterをフォローしてもいい。YouTubeを観てもいいし、ラジオを聞いたって良い。

はあちゅうの事例に戻すと、露出数との最大化により、ユーザーの中での脳内はあちゅう率が上がり、接触時間に比例して彼女の各課金コンテンツへのCVRも上がってくると思われます。(なんども同じ広告を見ると買ってしまう心理と一緒)

どんなコンテンツであればユーザーとの接触頻度を高め、接触時間を増やした結果、MHTを最大化できるか。その各チャネルの先に、(できれば月額の)有料コンテンツを置いておけば、収益が上がっていくはずです。

まずは露出回数を最大化すること。その露出方法を既存のチャネルに限らず、工夫すること。YouTubeほど大掛かりじゃなくても、バズるVineを作ろうとしても良いわけです。

長文記事になってしまいましたが、様々なチャネルでトライ&エラーを繰り返し最適化することが大事です。私もnoteでこんなものを売り始めてみましたが、公開3時間でこれくらいの売上になりました。

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スクリーンショット 2015-12-26 16.44.05お買い上げいただいたみなさま、ありがとうございます。売れ行きが良いので明日には値上げします。お買い上げいただくなら今ですよ❤︎

各チャネル単体を頑張るのではなく、チャネルをクロスさせて戦略的にコンテンツを出していけば、サロンのようにコミュニティ化せずとも、まだまだコンテンツ単体で稼げると思います。メルマガのようなフォーマットに納まらずに、様々なチャネルでそこに適した表現形態で売っていく。はあちゅうのC Channel風縦長動画とか、おっさんが喜んで課金して「デートしてる感覚だぜハアハア」とか言ってる姿が目に浮かびます。梅木の動画には需要はないでしょうね・・・。グルメ動画ならまだ需要あるかな。



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