起業家必見!2014/15年ネットIPO銘柄28社の公募時時価総額一覧

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スクエアの衝撃の公募価格のニュースがありましたが(ラストラウンドから公募価格の株価が半値以下)未上場のインターネット企業が未公開市場で株価を上げすぎて、公開市場で値崩れするというのは今後日本のIPO市場でも起きてくる現象かと思います。そこでファクトとして2014/15年のIPO銘柄28社(赤字上場企業は覗く)の公募時時価総額やPER、初値時価総額やPERを押さえておきましょう。

東証

注:データ中の時価総額と当期利益の単位は「億」円

公募時時価総額100億以上:8社。現在公募より上は4社

スクリーンショット 2015-11-19 18.11.01gumiのPERはもうスルーしますが。エイミングがやはりgumiの影響でだいぶ公募時にPERを抑えられた印象。この中で2015.11.19時点で公募時時価総額を上回るのはエイミング、イトクロ、フリークアウト、イグニスの4社。とはいえイトクロ以外の3社は上場後にだいぶ跳ねた時価総額がついていましたが。

公募時時価総額50億以上:11社。現在100億越えは4社

スクリーンショット 2015-11-20 15.39.43

ダブルスタンダードとマイネットは今後の上場ですが。公募時時価総額50億以上となると、当期利益で最低限1億は残っているケースがほとんど。当期利益が4.2億のAppBankと3.2億イードがともにメディア企業などにPER20倍前後は厳しい評価。なぜかAppBankは一時期時価総額300億突破してましたね。利益は出ているけど、将来性はないと思いますが。

PER20倍前後の2社を覗くと公募PER最低が33倍のセレス、最高が85倍の弁護士ドットコム。弁護士ドットコムはちょっと高いとして、PER40-50倍程度が普通ではないかと。よって当期利益1億残せばPER50倍で公募で時価総額50億円程度で初値で1.5-2倍には跳ねる。ただし、初値が最高値担ってしまう可能性もあり、その後また100億未満に戻ってうろうろする可能性が高い。

2015.11.19時点で100億以上の時価総額で推移しているのは、AppBank、弁護士ドットコム、セレス、アドベンチャーの4社。アドベンチャーは140億強いと検討している印象。

公募時時価総額50億以下:9社。現在100億越えは2社

スクリーンショット 2015-11-20 15.39.51

最後に公募時時価総額50億以下の企業群。ここで当期利益が出ているのは富士山マガジンの1.6億やモバイルファクトリーの1.5億。当期利益1.5億以上出ている公募時時価総額50-100億銘柄は3社のみ。富士山やモバイルファクトリーは事業体として評価されずPERが渋くなった印象。

公募時時価総額50億未満で上場する必要ってあるんですかね。VCの出口のためとしかあまり思えず。2015.11.19時点で100億超えている企業はカヤックの126億、アイリッジの132億の2社のみ。公募価格を割っている企業は0社でした。公募を押さえて上場して、株価を堅調に伸ばしているという点は評価できますね。

ざっくりとファクトを並べましたが、ここから何が言えるかを箇条書きで。

・公募で100億以上の時価総額つけるには最低3億の当期利益が必要

・3-4億の当期利益があっても事業体的に評価されにくい場合もある

・1億の当期利益は事業体によるがPER22-85倍のレンジが実績値

・当期利益1億台での上場が13社。公募時時価総額レンジ22-86億

・当期利益1億未満での上場が4社。公募時価総額レンジ32-53億

・記載省略したが赤字上場が2社(クラウドワークス、メタップス)

本誌をご覧のスタートアップ経営者たちには、自分たちが上場する際にはいくらの当期利益を出していくらのvaluationを狙うのか。そこから逆算した上で、現在のvaluation算出に役立てていただければと思います。

未上場でvaluation50億つけるなら、よほど掘る事業でない場合は、来期の当期利益1億程度の予想は欲しいところ。当期利益1億の目処も経たずに50億のvaluationを主張するのはちょっとおかしいなと思いますね。0.5億当期利益残せて、ポストvaluation30億くらいならまだ納得出来る。とかそんな感じかと。未上場は本当に適当な相場観(発行体と投資家の相対取引であるがゆえ双方納得すれば良いわけで致し方ない)ですからね。

未上場株の評価は非常に難しい。しかし、valuationを上げすぎると仮にIPOできても出口で苦しむことにもなりかねないのでお気をつけください。スクエアのIPOについてUmeki Salonで議題にしたところ、公募価格が最後のララウンド(スクエアでいうとシリーズE)の株価を割っていても「IPOラチェット」なる契約条項で、株価が下がった分を第三者割当てを受けるなどして、投資簿価は保証されるという解説があり、非常に勉強になりました。

スクエアのような契約条項で投資家が守られる事例があるといはいえ、基本的には未上場での最後のラウンドの株価をIPOの公募で割るというのは、よろしくはないかと。こういった事例も踏まえた上で、強気すぎるvaluationには気をつけましょうね、起業家のみなさん♡



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