まだIVSで消耗してるの?

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「IVP分裂の噂」を耳にする業界関係者の皆さまも少なくないかと思います。IVSは前身となる NILSというイベントを2004年に始めたそうで、既に10年近くカンファレンスを毎年開催しています。

参考記事:IVSは何を目指しているのですか

筆者も2011年に一度だけ参加させていただいたことがありますが、当時はIVPも絶頂な時期であり、500名くらい参加者がいるのに、20代は10名くらいしかいなかった気がします。そこにいた20代で筆者の記憶にあるのは、wantedlyの仲さんとReady for?の米良さんでした。IVSブランドが輝かしかった古き良き時代です。

IVS

筆者のスタートアップ業界のキャリアは2011年からで、現在5年目。当初は叩かれまくった気もしますが、昨今は様々な情報を様々なルートから安定的に供給いただけるようになってきました。2011年には光り輝いていたはずのIVSブランドも、筆者周辺ではマンネリの声しか聞きません。代わり映えのしないセッション登壇者と審査員、新陳代謝のない参加者たち。「同窓会だから」と自嘲気味に参加するおっさんだらけです。

一方でLaunchpadはUstream中継などもあり、スタートアップ業界では権威あるイベントとして君臨し続けてきました。当初はLaunchpadで優勝した企業は上手くいかなくなるという都市伝説もあったようですが、上場に至る企業も出てきているようです。何を隠そう筆者もUstreamでLaunchpadを見ていて気になったスタートアップへの投資実行をアレンジするなど、参加していないにもかかわらず、実務面でも恩恵を受けています。

インターネット業界の栄枯盛衰のサイクルは短く、この世の春を謳歌したDeNAやGREEの天下でさえ3年は持たなかったのではないでしょうか。そんな中で10年以上もトップランナーとして君臨し続けるのはすごいことです。実は企業よりVCやメディアの方がスタートアップ業界はサイクルの息が長いんですよね。

しかし、スタートアップ業界関係者の多くは「もうIVSの時代ではない」と感じているのではないでしょうか。

現にここ2-3年の国内スタートアップ投資の活況にも関わらず、国内のIVPの投資案件は減っていますし、投資実行で競り負けた話をたまに聞きます。The Real Realは回収不能だろうとの筆者の予測は的中し、The Real Realは先日日本版のサービス停止を発表。

参考記事:freeeの上場頼みか?IVP Fund II パフォーマンス予想

IVPは中国は調子が良いようですが、日本のスタートアップのインサイダーではないようです。

繰り返し強調しますが、10年も業界のトップランナーでいることは凄いことですし、日本のスタートアップ業界の発展に果たした役割は大きいと思います。しかし、もうただのおっさんの同窓会となっていて、イノベーションが起こる余地が少ないということは業界の人口を揃えて言っています。

同じようなイベントでIVSによく似た名前の「SVS(サムライ・ベンチャー・サミット」というイベントがありました。こちらは2015年4月の10回目を持ってして一旦終了。私も4-5回くらい榊原さんのオープニングスピーチの後に半年分の業界動向を解説する要職を務めましたが、あっさりとしたSVS終了の引き際は見事なものでした。

ここは「IVSS(インフィー・ベンチャー・佐俣・サミット」などにリブランディングして後陣に想いを託して見るのはいかがでしょうか。

引き際って大事です。数多くのスタートアップ業界関係者の声をThe Startupが代弁しましょう。

まだIVSで消耗してるの?

それを言いたかっただけです。

よくどっかのVCを出禁にしたりとか、事を騒ぎ立てて結果的に誰かを懲戒?解職に追い込んでしまうとか、器が狭いことをやっているようですが、そういった方々によりレピュテーションは形成されてしまうものです。

業界の皆さまはIVSがプロダクトサイクルとして「IVS Fall」に入ったということを肌で感じているはずで、そうでない方はスタートアップ業界に疎い方なのだなあと感じます。

IVSの偉大な功績を称えつつ、時代は確実に移り変わっているということを、本誌読者の皆さまには感じていただければと幸いです。きっと筆者も「まだUmeki Salonで消耗してるの?」と言われる時代が来るかと思います。言われるうちが花ですね。



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