Umeki Salonの運用手法、公開します

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非常にニッチなコンテンツですが、サロンの「運用手法」を公開します。シナプス上にサロンに新規開設がかなり増えてきましたね。シナプスサロンの第一号は僕だったりします。2012年4月に「家賃稼ぎたいな」くらいで始めましたが、予想だにしないスケールでした。

サロンの伸ばし方に悩まれるサロンオーナーも多いかと思いますので、超ニッチですが虎の巻を公開します。イケダさん、はあちゅう、よく見ておくんだぞ!

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月次で数値の推移を追い、施策を考える

スクリーンショット 2015-09-23 11.03.29スクリーンショット 2015-09-23 11.03.51おそらくサロンオーナーでここまで数値管理をしているのは僕くらいでしょう。上の表がグロースで、下の表がサロンページのユーザーの動きを追ったものです。こうしたKPI管理はサービス事業者であれば普通にやっているかと思いますが、サロンオーナーのほとんどがサービス運営の経験もない方が多いであろうため、ここまで緻密にはやらないはずです。

ざっとですが、サロンページ200PVで1人の新規会員獲得となります(CVR0.5%)サロンページ50PVで1人が決済選択、決済選択をしても決済ボタンへの遷移で約半分が離脱しています。決済ボタンを押したけど、決済完了まで至ってない人が1/3もいるのです!決済ボタン押したけど、悩んで離脱しちゃったのかなと。新規入会獲得のフローは下記です。

①:サロンページを訪れる(Attention / Interest 認知・理解)
②:決済ページへ遷移(Desire欲求・Motivation動機)
③:決済ボタンを押す(Action行動)
④:晴れて会員へ

①から②への遷移率が悪ければサロンページの魅力がありません。サロンページを書き換えてLPを充実させましょう。ここはUmeki Salonでは2%前後で推移しています。サロンオーナーはここが1%切っていると、文章に魅力がないと思ったほうが良いでしょう。

②から③の遷移率はUmeki Salonでは約50%です。決済ページへ遷移したくらいなので興味はあるんだけど、なんか悩んで離脱しちゃう。実際にAmazonで買い物しようと思ったが、なんかやっぱいいやと思って離脱したことって一度はありませんか?このページでの離脱率を下げるために「梅木がお茶しながらサロンの説明をしますよ」という施策を始めました。

僕は正直者なので、その人にはサロンに合わないと思えば「やめといたほうがいいですよ」と言います。純粋に営利を追求するのであれば全てウェルカムにすればいいのですが、期待値コントロールは大事ですし、お会いした上でメンバーになったほうがその後のライフタイムも長いのではないかという仮説です。一見、工数が上がるように見えますが、中長期ではリターンが工数を上回ると判断した施策です。サロンメンバー数が少ないサロンオーナーの方はやったほうが絶対いいです。

そもそも①のサロンページへの誘導強化も重要なのですが、それ以上に決済ページへの遷移や決済ボタンを押す敷居を下げること、すでに興味があるサロンメンバー候補を確実に仕留めるかが事業者サイドとしては重要な考え方です。

どういう施策がワークしたのか

☆新規入会対策
・特定のターゲット層に特化した初月無料キャンペーン
・経営者のサロンメンバーを中心としたバイラル

☆サロン内コンテンツ
・オープンクエスチョンよりクローズドクエスチョン
・特定セグメントに特化したオフ会

続いては具体的な施策の話を。

上記のエクセルにも記載がありますが、たまに特定のターゲット層に特化した初月無料キャンペーンをやりました。これにより、そのターゲット層のユーザーを5-10名月次で獲得することに成功しています。誰でも無料ではなくピンポイントで刺すことが重要で、自分のサロンのターゲットユーザー間でのバイラルを狙います。

あとは施策ではなく結果論ですが、経営者同士が集まる場で「Umeki Salon入ってないの?やばくないすか?」という口コミから獲得に至るというケースが少なくないようで、皆様のバイラルに大変お世話になっております。しかし、サロンメンバーがサービスに満足していないとバイラルは発生せず、退会されるだけなので、日頃の運用の努力がバイラルを生み出すという、超地味な話です。

サロン内コンテンツですが、現在のUmeki Salonは530名を超えており、IVS並みの参加者数です。30名のコミュニティ運営とは訳が違います。30名のコミュニティ運営ではエンゲージメントが高く、コメントしてくれやすいゼミ的な空気がありますが、530名もいるとオフラインに置き換えると大教室でのスピーチ的な感じです。

そんな中でメンバーのコメントを引き出すには、オープンクエスチョンではなくクローズドクエスチョンしかないと最近判断し、クローズドクエスチョンを多めにしています。「田端さん、ご感想ください」的な感じで名指しで当てるのです。これは一人でも多くのサロンメンバーを直接知っていて、どういうネタを振れば答えてくれる人なのかをちゃんと把握しておく必要があります。ちなみに田端さんはコメントしてくださったり、スルーされたりまちまちです。

オフ会に関してですが、サロンメンバーなら誰でも参加可能だよ!的な大規模なオフ会よりも、同じセグメントで絞った少人数の会をやったほうが満足度が高い、というか僕ならそういうイベントじゃないと参加したくないと思い、そういう運用をしています。最近ではシリーズA(1億円以上)以上調達に絞った経営者オフ会を実施し、いくつかアライアンスも生まれたようです。オフ会に参加して「気づきを得ました!」ではなく「実利を提供する」ことが大事で、実利を得たと感じたメンバーからのバイラルも期待できます。よって、しっかり実利を提供する座組みを考えた設計が必要です。

今後のUmeki Salonはどうなっていくのか:DB構築が鍵

2012年4月に当初30名規模で始めたUmeki Salonですが、2015年9月は530名以上を擁する大所帯になってきました。なんだかんだで3年半やっているわけですね。先日ツイートしたらやけに反応があったのは「コンテンツはコピペできるが、コミュニケーションはコピペできない」という話。サロンはコミュニティサービスであり、コミュニティとは何かというと「重層的なコミュニケーション」です。

ゆえにUmeki Salonは僕の投稿に対する神々のコメントというコンテンツも楽しめるのですが、Umeki Salonに入っていれば、Umekiが何かしら参加者のビジネスのアシストをしてくれる機会が期待できる、という点へと期待値をスイッチさせていくことを考えたいと思います。

その前段階としてサロンメンバーのDBを作っておきました。名前は非公開ですが、社名くらいはと思い、DBの一部を公開しましょう。

スクリーンショット 2015-09-23 11.44.25こういうDBを作り、頭に叩き込んでおくことで、僕の脳内のシナプスが繋がりやすくなり、アライアンスをアシストしやすくなります。実際にDB作成後、まだ会ったことのない方にこちらからアプローチして、事業内容を聞かせていただいたりもしています。

何を隠そう、知り合いではなかった方がサロンに入会されたことをきっかけに、ランチしてから投資アレンジに成功した事例もあるのです。500名以上のDBは僕にとっては黄金の営業リストといえますし、サロンメンバー同士という共通項を一つ挟む(栽培マン論で盛り上がる)ことで、アイスブレイクしやすく、アライアンスにも繋ぎやすかったりします。

今後のUmeki SalonはこのDBを元に、従来通りFBグループでコンテンツを楽しめるというのが前提のサービスとしつつ、DBで僕が強い関心を持つ100-200人くらいへ向けては、セグメント別オフ会の強化などで、実利を得ていただくという施策を強化します。

具体的には同じステージの経営者同士の繋がりによる、経営者あるあるの共有や、資金調達中の起業家には投資家の紹介、僕は売却側のアレンジもしているので、売却に動きたい起業家に対しては売却先を共に探すとか(さすがにこれは成果報酬いただきますけど)。あとはシードステージでサロンメンバー同士でチームビルディングして、スタートアップを立ち上げて僕がそこに出資するとかやりたいですね。最近はインバウンド領域に興味があるので、そこで1件作ってみたい。

500人全員には直接的な実益を提供することは難しいですが、100-200人というコア層に対して、そういったサービスを強化していきます。

以上、長くなりましたがまとめると、①KPI管理、②DBマーケティング、③重層的なコミュニケーション、この3つに尽きます。実名サロン的コミュニティ運営は参加者間の繋がり(シナプス)をサロンオーナーがどれだけ生み出せるかにかかっているのではないかと。そこが有料メルマガとの違いであり、コンテンツはコピペされ、藤沢所長のメルマガは転送されるわけですが、参加者間の個体同士の結びつきをアシストすることは有料メルマガにはできないサロンだからこそ可能なことです。

サロンの運用方法は星の数ほどあるかと思うので、僕の手法が唯一絶対の解ではありません。しかし、サロンにしかできないことを突き詰めると、重層的なコミュニケーションで参加者の結びつきを一つでも多く生み出し、コンテンツ価値を前提とした上で、(ビジネス的にもプライベートな的にも)いい人と知り合えた!とい何事にも代え難い価値の提供が、高い競争優位を生み出すはずです。なので僕に求められるのは、コンテンツパブリッシャーではなく、精度の高いハブとなる機能です。そういった点においては、オンライン完結のIVSのようなものです。おそらくDBマーケティング×アライアンスアシストは、他のサロンオーナーには簡単に真似されないものだと思います。IVSもサロンやればいいんですよ。

というのがUmeki Salonの運営手法と今後の方針でした。イケダさんやはあちゅうの運用手法記事も読みたいですね。との振りで筆を止めておきます。



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