久々のメディア論です。途中からメディア論から一般論に発展しますが。
WEBメディア運営者は「この記事、いい記事なのにPV取れないな。読まれないな。ぐぬぬ」という悩みを抱えたことが一度はあるかと思います。もちろん筆者にもその経験はある。
しかしWEBメディアにおいて突き詰めて考えた結果、「コンテンツ(内容)が良ければ読まれるはずだ」というのは一理あるように思えて怠慢であるとの結論に至りました。
たしかにコンテンツが良ければ、ソーシャルメディアで拡散して読まれることもあるでしょう。しかし、それ以上にパッケージ(外見)が重要ではないかと。WEBメディアにおいてはパッケージとは「記事タイトル」と「キャッチ画像」を指し、各メディア運営者はタイトリングは相当こだわって考え抜くはずです。
WEBメディアにおいてタイトルや画像が重要というのはみな頭ではわかっているはずなのですが、「コンテンツ良ければいいじゃーん」的な感覚ってけっこう抜け切ってないなと。だから「記事内容はよいはずなのになんで読まれないんだ」という言い訳があるわけです。
こんな感じです。よって、中身が微妙でも「タイトルで負けないこと」が大事だと思います。中身微妙なら出すなよという意見もあるでしょうが、そうはいかない大人の事情もあるのです。
特に良いコンテンツでタイトルが微妙な場合はもったいなさすぎます。右下の象限の記事に対して「コンテンツはいいんだけどなー」という言い訳をしないために、負けないタイトルを頑張ってつけろよと。
むしろパッケージの良さは、コンテンツの実力値以上の評価を受けることがあります。左上の象限です。悪い例でいうと、タイトルが過激で思わずクリックしてしまったけど、中身がスカスカだったという記事。こういう場合は悪評と共に拡散される可能性があるので(例:なんだこのゴミ記事)注意が必要です。
しかし、パッケージの魅力でコンテンツの飛距離を伸ばせることはできる。コンテンツがイマイチでも、タイトリングで全体のクオリティを20%上げたよね。という技こそが編集力というものだと思います。
具体例を。こんな記事がありました。
・そのあとのキスもバカらしくなるくらい美味しい絶品ニンニク料理4選
この記事ですが「そのあとのキスもばからしくなるくらい」が肝です。ニンニク料理紹介で、「スタミナ満タンに!絶品ニンニク料理4選」とか付けかねませんが、微妙です。これは明らかにタイトルが記事に付加価値を与えた好例かと思います。
WEBメディアから別のところへ話を広げると、大したことない提案内容で高いフィーを正当化するために戦略コンサルは提案書の見栄えにめちゃくちゃ気を配ります。性格の悪い美女は男性をATM化するために自らの外見にかける努力は惜しみません。戦略コンサルも美女も、パッケージに命をかけており、その結果、(大した中身が場合でも)高値で売れているわけです。それはパッケージが美しいからに他ならない。
人は見た目が9割という本が売れていたので、こんなこと今更言うまでもないかもしれませんが、それほどパッケージの魅力はめちゃくちゃ重要だということを、自分に言い聞かせるためにこの記事を書いておきました。パッケージ整えるの、苦手なんですよね。
WEBメディアにおいては、インフォグラフィックなどパッケージの魅力を上げられる存在の価値がますます高まる気がしています。