とあるパーティーで知り合った電通のコピーライターが、ここらで広告コピーの本当の話をします。という本をお薦めしてくれた。
コピーライティング系の本はコピーライターにしか関係ないと思われがちだけど、全くそんなことはなくて。メディアを運営して言葉を売り物にしている僕にも大いに参考になることがたくさんあった。
僕はコピーを書くのは本当に苦手。コピーライターは対象となる商品の良さを引き出すの(本書によれば言葉によって商品価値を高める)が仕事であり、メディアの書き手というのは人によるけど「うるせえ、書きたいことがあるんだ」というタイプがいて、僕はそれに相当する。
よってそれを書いたら何が起きるかというのは正直あまり考えていない。読者の感想はご自由にという村上春樹パターンである。
その言葉は価値を上げているか?
本書にあったこの言葉が僕には刺さった。その言葉(タグラインでもキャッチコピーでも)が新たにモノとヒトの関係を創造しているか。その役割を達成するための、言葉としての力があるか。ターゲットの心に刺さり、揺さぶる表現となっているか。
これは記事を書く時も同じことで。正直僕は記事を書くことをコミュニケーションだとあまり捉えていなかったのだが(特に本誌においては)、こういう物事や事象がある。それを読む読者がいる。その関係を創造する橋渡しをする。それが上手くいく時もあればミスリードを誘発する時もある。
僕は外の罵声には8割型耳を傾けず、2割くらい見て「ああ、今回はここがまずかったのか。次は気をつけるか」と思ったりする。見知らぬ人から投げられる石を全て受けていたのでは身が持たないからだ。
コピーを書く時はUSP(ユニークセリングポイント≒競合優位性)を捉え、ターゲットを決める。記事を書く時も、取り上げるネタの特徴を捉え、誰に読まれたい記事なのかを想定する。そこにどのようにすれば新しい関係(発見とも言い換えられる)を創造できるかを考える。
それを習慣化すれば僕の言葉の精度ももう少し上がるのではないかと思う。
この記事タイトルとこの記事の本文は、「ここらで広告コピーの本当の話をします。」という商品の価値を上げることはできただろうか。