デューデリなんていらない!型破りすぎるエンジェル投資家の秘密という記事に触発されて書いてみます。
まず私は現役のベンチャーキャピタリストではなく、VCの方も多数見られているであろう本誌でこの手の話題を提供するのはリスクがあることは承知です。怖いおじさんから突っ込みが入りそうなものですが、気にしません。昔少しだけVC業をやっていた際にデューデリジェンスを少しはしているので、思ったことを。全く専門的な内容ではないです。専門的な内容は専門家の方々にお任せできればと。
デューデリは無駄か?と挑戦的なタイトルにしようかと思いましたが、「あるある」に留めておきました。
■デューデリの重要性は投資ステージによって異なる
当然といえば当然ですが、シードステージとレイターステージではデューデリ対象となるファクトの数が異なります。設立1年未満の会社だと財務諸表も締まってなかったりするわけですし。一方でレイターステージだと5期分くらい財務諸表があり、過去の数字から未来の売上予測をシードステージよりは立てやすいのは明白です。
よってレイターステージであればデューデリにそれなりに時間がかかってもやむを得ませんが、シードステージのデューデリで時間をかけ過ぎるのはいかがかと思います。
■過去のデューデリと未来のデューデリ
過去:経営チームのトラックレコード、財務状況、資本政策
未来:事業(市場)の成長性、資本政策
■デューデリで見るべきポイント
1:経営チーム
2:マーケット
3:事業成長のロジック
よく言われている普通のことを羅列しましたが、3のロジックが「いかにたしからしいか」が一番鉛筆なめなめして精査されるポイントです。
■デューデリあるある摩訶不思議
1:3年目でのホッケースティック曲線的な伸び
2:ドヤ顔具合(アグレッシブさ)とValuationが比例傾向
3:直近の他社ディール実績によるValuationの空気感(1億調達でValuation10億円前後的な相場観)
1はデフォルト設定ですが、2は資金調達においては重要なスキルであるという人が多いですね。
■デューデリが無駄だと感じたこと
1:過去と未来の事業計画数値を鉛筆なめなめしながら見る
2:不確実な未来に対して懐疑的な視点を投げかけ続ける(議論して一緒に考えるくらいが望ましい)
3:アリかナシかの判断ってそんなに迷うか?特にシードやアーリーなら即決に近くても良い(気持ち的には投資する前提で、サービスの伸びに付いて議論する。気持ち的にはアリでも相手から断られることはあるが)
■デューデリで重要だと思ったこと
1:投資家目線ではその経営者と事業を愛せるか腹を括ること
2:とはいえ事業がスケールするかはちゃんと見極める
3:起業家目線では分かりやすく明快に事業の魅力を伝えること
4:突っ込まれそうな点を想定して回答を用意しておく
こんなことを思いましたが、1泊2日の温泉旅行とかで人間性を含めてデューデリするのがお互いの時間工数的に一番いいのではないか。
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