抱かれてもいいと思わせる起業家の3つの特徴

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先日、とある投資家(男)がとある起業家(男)に関する記事を見て、Facebookでこんなコメントをしていた。

「惚れ直した。抱かれてもいい。」

この投資家の方のお気持ち、わからないでもないのです。

仕事柄、多くの起業家の方とお会いしてきましたが、その中から数人

「この人になら抱かれても仕方ない…いやむしろ(ry」

と思うような起業家が何人かいました。

*私はゲイではございませんので悪しからず。
「抱かれたい」=魅力的の比喩です。

この30代男性投資家と30代男性起業家のベッドシーンは、The Startup的にはスクープものなのですが、そんな地獄絵図は見たくありません。この「男性同士でも抱かれたい」と思わせてしまうような起業家にはどんな特徴があるのかを本稿で考察します。

1:極めてパワフルである(時には強引なドリブル)

「抱かれたい」と思わせることができる起業家に草食系はいません。少なくともビジネス面においては100%肉食系です。パワフルを通り越して「強引」と表した方が近しいかもしれません。素早く物事を前に進める力ということもできます。

スタートアップでの面接中に「You、明日から来ちゃいなよ」という展開があるということをネタ風に語られることがありますが、「You、明日から来ちゃいなよ」と言えるような起業家はパワフルです。会って即決できる決断力があり、スピードの重要性を身を持って示します。

僕も前職時代、「とりあえずカムカム」されてオフィスを訪れたら、面接的な感じになり、「明日会議あるからYou、来ちゃいなよ」という展開がありました。もちろん翌日の会議には参加し、内定が出る前にタスクを振られていました。そこから前々職を退職するまで2週間ほどでしたが、既に前職に体をシフトさせ、7割ほどの時間を転職先に割いていました。

パワフルを言い換えると「決断力」「実行力」といえ、「決断」「実行」が早いという「スピード感」がパワフルさを醸し出す要因と言えるでしょう。決断が遅く、なかなか実行に移さない起業家にパワフルさはあまり感じません。日向小次郎の「タイガーショット」を前半から連発できるような起業家がパワフルと言えます。

2:「この人のためなら」と思わせることができる

特にスタートアップにおいては、その会社が展開する事業に興味があるという理由でジョインする人も多いでしょうが、その起業家が魅力的だったのでジョインするという人も少なくないでしょう。ジョインした人々は「自分の力がこの起業家に役に立つといいな」と思っているわけです。

ここで重要になるのがジョインしてくれた人々に対して「この人のためなら頑張ろう」と思わせることができるエンゲージメント感を中長期的に醸成することです。おそらく起業家が想像するよりも従業員は起業家と交わした会話を覚えています。

このエンゲージメント感の醸成には、普段の業務確認メールでの何気ないありがとうという感謝や、飲み会での熱い言葉まで、幅広く機会があります。そうした起業家からの言葉の積み重ねで、従業員は起業家や会社に対して価値を出せていると実感することができます。その感覚が、また役に立てるように仕事を頑張ろうと思えるようになるのではないでしょうか。
経営者からの「いいね!」はユーザーからの「いいね!」同様、従業員にとっての明日への活力なのです。

実はこのエンゲージメント感を醸成できる起業家はそこまで多くないと私は実感しています。手間が掛かるのでやむを得ないという考え方もできるのですが、従業員とのエンゲージメント感を醸成できない起業家の企業は離職率が低くないと思います。ビジョンを描くだけで勝手に従業員がついてくると思うのは間違いでしょう。

3:金の匂いがする(稼げる力がある)

最後に重要なのが、ストレートですが「金の匂いがするか」です。特にスタートアップは売上が上がったとしても当分は赤字続きです。資金調達を繰り返していても一向にマネタイズの香りのしないサービスも少なくはなく、金の匂いがしない起業家というのも珍しくないと思います。

従業員を雇用する以上、従業員を路頭に迷わせるような起業家ではマズいでしょう。この経済力的な観点は女性が結婚に挙げる条件としてもよく出てくるでしょうが、「資産としてお金がある」という状態ではなく、「未来のキャッシュフローを生み出せるか」という「稼げる力」の有無を指すのが本質的な考え方だと思います。いわば無意識的にDCF方式を採用し、「金の匂いがするか」を見極めるということです。

これはより多くの給料が欲しい、という本音もあるでしょうが、ダウンサイドリスクをヘッジしたいという心理的要因の方が大きいと思います。稼げないと企業は持続しません。

番外編:ビジョンだけでは、抱かれたいと思わない

起業家は大抵ビジョナリーなわけですが、ビジョナリーなだけでは抱かれたいとは少なくとも僕は感じません。そのビジョンを実現できるか重要であり、実現するための要素が上記の3つといえるのではないでしょうか。

決断力や実行力、組織を率いるリーダーシップ、そして稼ぐ力。こうした要素が揃った起業家こそが、皆が「抱かれてもいい」と思ってしまう起業家なのではないでしょうか。この3つの要素のいずれかでも欠けたらダメだと思います。

ananもどきで「抱かれてもいい起業家ランキング」 を本誌で発表するのも面白いかと思いましたが、リスクを鑑みて、ここまでとしておきます。

貴方は自分の会社の経営者に抱かれてもいいと思えますか?思えなければその会社に勤め続けることを考え直した方が良いかもしれません。

ちなみに僕が今最も欲しいモノはこの「抱かれてもいい」と思える起業家が持つようなオーラです。この手の起業家が周囲に何名か居るので、彼らの精気を吸い取りつつも、結局は人間的な器の大きさだと思うので、日々の生活から器の大きな人間になれるよう精進していければと思います。

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