社会人であれば、「自分の所属する組織」と自分が発言する内容の関係性に気をつけるのが普通です。私かて、サラリーマン時代に「こういうことは書くなよ!」とプレッシャーを受けたこともあります。今振り返れば、理解できますが。
一人で仕事をしていてかつクライアントワーク(広告出稿も含む)がない状態の人であれば、わりと何を発言しても、実利的には問題ないと思います。そもそも「許しを請わなければならない」利害関係者がいないわけですから。
しかし、サラリーマンはその企業の看板を背負っています。
twitterのプロフィール欄で、こんな表記を度々見かけませんか。
ツイートは個人の見解であり、所属組織とは関係ありません。
こういうことを書く人が大嫌いなのですが、感情ではなくロジックに落とし込んで考えてみたいと思います。
まず、「ツイートと所属組織の関係」については、発信者ではなく、受信者が決めるものではないでしょうか。よって、受信者は発信者の発信に対して、たとえば「トヨタ社員のtwitterアカウントが、日産の悪口を言っていた」としましょう。すると、「所属組織とは関係ないとか言ってるけど、競合をこき下ろす人なんだな」と受信者は大抵思うのではないでしょうか。
よって「主観か」「客観か」の論点の違いであり、発信者が「俺のツイートと会社名、関係ないからね!」といっても、それは受け取る人次第で受け取り方はいかようにも変わるというだけのことです。
私も暴言を吐くことはありますし、個人会社なので個人=法人なわけですが、クライアントもおり、私の発言を通して、クライアントの心象を悪くしてしまったこともあるでしょう。
最近、こんなことがありました。
【ケーススタディー】
・梅木がクライアントワークの一環として、知り合いの会社に採用を依頼していた
・すると、その会社に所属する方が、私のクライアントの記事(記事=プロダクトに当たるわけですが)を私の投稿経由でFacebookでシェアしていて「うわー、気持ち悪いわ」的な投稿をしていた
これについて、みなさんどう思うでしょうか?
私の見解はこうです。
読者として記事にネガティブな感想を持たれるのは全然構わない。個人としての意見はどうでもいいわけです。しかし、自社のクライアントのプロダクトをソーシャルで拡散してこき下ろす必要があるのだろうか?いや、ないだろう。ありえないだろう。法人として最もやってはいけないことではないか。
TheStartupには転職サイトのGREENさんに出稿いただいています。そこで、GREENとか使っても、マジ採用できないっすよ!とFacebookにポストしていたらどう思うでしょうか?それをプロダクトへの真摯な意見として受け止めろという意見もあります(上記の私の出来事にそうコメントしてきた輩もいました)しかし、まずは出稿を止めるのではないでしょうか。
クライアントとしてお金を払っている媒体の中の人に、自社プロダクトをこき下ろされて、いい気分の広告主などいません。考えてみれば当然というか、考えるまでもないことです。
その旨を私は相手のFacebookにコメントしたんですよ。すると「私は読者じゃないんでしょうか」という回答でした。反省の色というか、むしろ梅木何言ってんのお前、的な感じだったんでしょうね。
こういう人が「ツイートは個人の見解であり、所属組織とは関係ありません。」とかtwitterのプロフに書くような人なのだと思います。つまり、主観でしか物事を考えておらず、他人から見ると自分の発信と所属組織が紐付けて受け止められるという視点が抜け落ちている人です。
こういう人は「法人としての顔」が人間にあるということを自覚できていないのではないでしょうか。勤務時間だけ法人の顔をしていればいいわけではなありません。はっきりいって、粗相なだけです。きっと仕事もできない人なのでしょう。
本当はその投稿はキャプチャしてありますので、晒したいところですが、私も法人としての顔がありますので、クライアントの利益を損ねること(晒すことで心象を悪くすること)はできません。
みなさん、本件についてどう思いますでしょうか。論点を整理しましょう。
・発信者の発言と所属は、受信者によって結びつけられるか否か変わるものであり、発信者に決める権限はない(受信者にその発言を消せとか訂正しろという権限もない。心象の問題)
・思い切り所属がプロフィールに記載ある中で、クライアントの商品をソーシャルでこき下ろして拡散するという行為が、「法人として」不適切である
夜中のコメントの応酬では、上記の考えをまったく理解されなかったTさんという方。「価値観が違う」で私は片付けておきましたが、私の価値観、そんなにおかしいでしょうか。法人として節度ある人間なら、当然のことだと思うのです。
しかし「個人の見解と所属は関係ないです」とプロフでエクスキューズしちゃう人が少なくない世の中ですから、私の価値観の方がおかしいと思われてしまうこともあるかもしれないと思い、書いてみました。
クライアントの中には、悪口でもなんでもいいから「露出が増えた方がラッキーだ!」と思う人もいるかもしれませんしね。少なくとも私は、仕事を依頼した企業の中の人が自社のプロダクトをソーシャルで批判していたら、そこと取引はしたくありませんね。
ご意見をお待ちしております!