「バイラルメディアはゴミですか?」「はい、ゴミです」CuRAZY伊藤氏談:The Media9

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バイラルメディアがゴミか否かを巡る論争が盛り上がっています。急遽、バイラルメディアの一角といえるお笑いメディアCuRAZYを運営するラフテック代表取締役伊藤新之介氏に「バイラルメディアはゴミじゃないか?」と直撃してみた。

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おお、事業者なのにバイラルメディアがゴミであることを認めました。潔いですね。

バズフィードのシニアディレクターだったと思いますが、「バイラルメディアのコンテンツはほとんどゴミ」というような発言をしていたと思います。

バズフィードは数字が取れるコンテンツでトラフィックを集め、堅めのジャーナリズムなども展開していくというコンテンツポートフォリオを敷いていますが、CuRAZYはひたすら低俗な笑いを取りにいきます。笑いのためならなんでもやりますね。

あと、ビジネス的には収益化していないので、国内のバイラルメディアは今のところビジネス的にはどこもゴミです。

Googleを捨てFacebook信仰から始まったCuRAZY

CuRAZYのアバウトページにはファンキーなこんな一説があります。

スクリーンショット 2014-07-22 17.51.39これは検索流入を捨て、ソーシャル流入に特化する宣言ですね。2014年1月の開始から半年でUU500万PV2,000万を突破したそうです。まだ検索は強くないのか「CuRAZY」というサイト名より「死にたい」というワードでの流入が多いそうです。「死にたい」はこの記事がヒットします。

うん。たしかに死にたいね。

とはいえダイレクト流入(ブックマーク経由などの直接)比率も直近では10%程度で、今後はSEOにも力を入れていくとのこと。やはりGoogle先生なしではまだメディアビジネスは成り立たないと思われます。ユーザーは30-40代中心で女性の方が若干比率が高いとのこと。エロ系コンテンツは扱わない方針の用で、その辺が女性ユーザーを惹き付けているのかも。

企画会議では「記事にツッコミが入るイメージ」を共有

「笑うメディア」CuRAZYはどうコンテンツを選定しているのか。バイラルコンテンツには勘所があると、「バイラルメディアはゴミじゃないヨ」のSpotlight渡辺さんも言っていました。

ユーザーがこの記事に対してどういうツッコミ(コメント)共にシェアするというイメージを企画会議で共有しています。CuRAZYは主に動画とリスティクル(リスト状=○○な5選など羅列形式になっている記事)が多く、リスティクルでは最低1つは興味を持つものがある。それに対して「これはいい!」とシェアする人がいるため、リスティクルはバズりやすい印象があります。

例えばこの記事は35万いいね!を獲得しましたが、あらゆる方向から突っ込める記事だからこそ、多くのシェアを集めたと感じています。バズフィードではリスティクルが鉄板だと思います。

どういう記事をユーザーはどういった心理でシェアするのだろうか。

Facebookとtwitterで拡散するコンテンツの性質が若干異なりますが、根底には「他人からこう見られたい」というセルフブランディングが無意識的にあると思います。他人から見た自分を意識せざるを得ない。その上で「これを褒めている自分」がいいんじゃないかとか無意識的にそう判断している。

例えば、「赤ちゃんかわいい♡」というコメント共に、かわいい赤ちゃんの動画をシェアしていれば、母性本能が強い女性と見られたい人なのではないか。とか。これはネットならではの現象といえます。

もう一つは感情経験の共有。電車の中で笑いを堪え切れないほど面白い記事は問答無用でシェアされます。これはオフラインの口コミでもそういうことがあります。「あの記事面白すぎてさ」と記事を会話のネタにしたことは誰しもが一度はあるはずです。

問答無用でシェア。35万いいね!を経験しているからこそ言える名言ですね。問答無用でシェア。ですよ。

記事に対してどういうツッコミが入るかというイメージを持つことはすごく大事ですね。炎上対策にもなります。あ、バイラルメディアは炎上した方がバイラルするからいいのか。

バイラルメディアはバラエティメディアを目指す手段だった

現状はバイラルメディアと認識されているCuRAZYだが、あくまで目指すのは国内トップのバラエティメディア。バイラルメディア的な立ち上げをしたのは、あくまでトップを目指す手段だったという。

テレビのバラエティに取って代わる位置を築きたいと思いつつも、テレビとの協業も進めていきます。バラエティ番組とリアルタイムで連動した記事を出すとか、CuRAZYがコンテンツ制作企業となってCMを提供するとか。企画コンテンツは既にとある芸人と仕込んでいます。

バズフィードは動画制作企業を買収して実際にTVCMを作っています。バズフィードは10-20代のユーザーが多く、先にバズフィードでCMや記事を流してから、TVCMを打つと、お茶の間で「このCM、バズフィードで見た」と家族間でコミュニケーションが生まれることも想定できます。バズフィードは米国ではテレビのバラエティのようなものと既に見なされています。

今後はテレビとの協業も視野に入れていくというCuRAZY。最後に冒頭の「バイラルメディアはゴミですか?」という質問に戻ろう。

ゴミのようなコンテンツでも、それを見て笑って自殺しようとか思ってた人が、やっぱ自殺とかいいや。と思える。笑いにはそんな力があると思います。自殺する人が一人でも減れば、少しは価値があると思うんですよね。

ゴミだって、塵も積もれば山となる。

たしかに低俗なコンテンツは見る人に(特にハイリテラシー層)とってはゴミだろう。だが、世の中のマジョリティは低リテラシー層であることを忘れてはならない。CuRAZYは低俗なコンテンツで笑いを取りに行き、それはゴミであると認めてはいる。ただし、受け手次第ではそのコンテンツはゴミでなく自殺を止めるきっかけとなる輝ける笑えるコンテンツかもしれない。

僕もこういう広告をタイムラインで見かけるとイラっとするし、このFBページに「いいね!」してる人は軽蔑するし、そっとアンフレンドしようとすら思うこともある。

スクリーンショット 2014-07-20 19.10.56勝手にバブってろよ。俺の視界に入るな。そう思っているユーザーは多いと思う。たしかにゴミが多いんだけどさ、たまに凹んだ時に笑えて、元気もらえるコンテンツもあるよね。

とりあえず品のないコンテンツばかり生産するバイラルメディアはゴミであり、低俗を売りにするCuRAZYはゴミだろう。しかし、ゴミも積もれば山となることを、我々は忘れてはならない。

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