2013年には若い女性のFacebook離れが深刻化する?:4つのコミュニケーションツールの今後の使われ方

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LINEが2,500万DLと凄まじい勢いの昨今。皆さんはコミュニケーションツールをどう使い分けているでしょうか?観察していると属性によって一定の使い分けの傾向が見えるなと思えてきたのでこちらで整理します。今回はtwitter、Facebook、Path、LINEを比較対象とします。あくまで今回はビジネスツールとしてではなく個人のコミュニケーションツールとしての心理的UXから迫る定性的なお話です。図のような使われ方が一般的かと思います。(LINEのIDナンパは成約率が低いと思ったので想定せず)

twitterは知らない人とのコミュニケーションが推奨される

昨年と比べると視聴率がガクっと下がったなあと肌感覚で感じるtwitter。ただツボにハマってバズッた時の威力はFacebookよりまだあることは間違いないでしょう。情報発信者としてtwitterヘビーユーザー(例えばtweet5,000-10,000以上)は全体比率からいうと相当少ないでしょう。(ただしこれはtwitter特有の現象とはいえないかもしれませんが)多くのユーザーにとっては情報収集ツールであり、時には動物園を見ている感覚なのかもしれません。(twitterで積極的に情報発信する女性は珍しく、大多数の女性はtwitterで情報発信することに苦手意識がありそうです。)

傾向としては「群れない人」の発信が多いと見受けられます。群れない人にとってはFacebookをぬるく感じ、カオスを楽しんでいる人が多いようです。私は2年半ほどtwitterをやっていますが、カオスによる恩恵もかなり受けています。転職したきっかけがtwitterだったこともあります。

文字通り独り言したい人には向くツールですが、コミュニケーションという側面においては知り合いよりもむしろ他人とのコミュニケーションが望まれる空気感にあるのかもしれません。これは当事者の好みに関わらず。

私自身も当初はtwitter上で知り合った人とコミュニケーションを図り、実際にお会いして多数の出会いに恵まれました。しかしそれはtwitterがインフラ化する前のアーリーアダプターのフェーズであったことが無関係ではなかったと思います。最近はtwitterから離脱する人も多く、ユーザーも低俗(といっては失礼かもしれませんが)な2ちゃん的な空気が漂ってきているなと思います。

特に最近は失礼な絡み(建設的な批判もありますが、それ以前に幼稚なものもある)をされるようになるケースもあり、時には相手をフォローすることを強制するかのような人もいたりして驚きます。キャズム越えしたことによって対人リテラシーが低い人が増えてきたのかもしれません。実名匿名が入り乱れた2ちゃんという感覚です。 そろそろ私個人的なtwitterの損益分岐点はマイナスに差し掛かってきたかなと思っています。

今後日本におけるtwitterの発信者(インフルエンサー)はますます一部の層に固定され、そういう人々は上記のような不憫を感じることもあると思われるため、離脱する確率が上がり、つまらない世界になっていくかもしれません。知らない人との質の高いmeet upが多く生まれるという理想郷としてのコミュニケーションツールの時代は終わったのかもしれません。 

知り合いからの多すぎる「いいね!」は「ヨクナイネ!」

日本ではアメリカのLinkedin的な使われ方もされてしまっているのがFacebook。日本でも社会的なインフラになることに1,000万ユーザーを超えた時点で疑問に思う人はいないでしょうが、日本特異の現象として一時期のmixi疲れ以上の深刻なFacebook疲れが起きると懸念しています。

多く見受けられるのが、どこかで一度会う⇒フレンド申請が来る⇒断るのも気まずいから承認する⇒誰この人?という「フレンド」ではない「フレンド」が増えるという悪循環スパイラルにハマるというパターンです。もしくは会社の人を承認しまくってしまい(もしくは心理的に半強制)プライベートな投稿ができなくなってしまうというパターン。

人によっては時にはそういった「単なる知り合い」から頻繁に「いいね!」 されるようになるでしょう。(ビジネスユースの人にとってはそれは有用でしょう)たしかに単なる知り合いからFacebook上でのやり取りで真に仲良くなれる場合もあるでしょうし、量による承認欲求を満たしたい人であればそれで良いでしょう。

しかし、単なる知り合いからの「いいね!」を迷惑に思う人もいるでしょう。主に「ストーカー」パターン(自分が興味のない異性からの尋常な量でない一方的ないいね!をもらう)と「栄光浴にすがる」パターン(「知り合い」の栄光を自分ごととして喜びたい心理 )が考えられます。

栄光浴パターンは一概に悪いともいえず、「いいね!を欲しがる人々」=「何かをアピールしたい人」には良いことですので、需給は一致するケースも多いと思います。(これは私自身もやります)ストーカーパターンはオヤジが若い女性にいいね!しまくるケースを見かけたことがいくつかあるので、今後深刻な問題になる可能性もあります。

よってユーザーによっては過剰な「いいね!」が「ヨクナイネ!」という心理に転換される場合が出てきて、日本では2013年あたりに若者のFacebook離れが特に女性において始まる可能性が高いと読んでいます。女性の多くは少人数コミュニティを好む傾向にありますし。(友人からの「いいね!」であれば、それはいくらでも「いいね!」でしょう)ビジネス告知ツールとしては便利であることは間違いないので男性のヘビーユーザーは伸びていくと思いますが。

Facebookフレンドの多すぎる女性はPathに移行する?

2012年3月現在では日本で確実にブレイクするとは私には言い切れないPathですが、上記のFacebookの流れが日本では確実に起きることが予測されるため、特に女性を中心に利用が拡まるのではないかと思います。

上記の項では割愛しましたがtwitter/Facebookは「リンク経済圏」であり投稿比率の多くが他者のコンテンツの流用です。そこでは(特にFBにおいては)このコンテンツをいいね!している自分はいいね!風に見えるだろうという「自己ブランディング心理」が働くものと思われます。例えば何に寄付をしているかとか、わざわざ共有するはなく、共感を誘って周りの人にも寄付して欲しいという心理もあるでしょうが「寄付している自分が良く思われたい」 の方が大きいのではないかと思います。

一方でPathは写真や音楽は共有できるものの、多くの投稿は友人とのコミュニケーションに主眼を置いた「くだらなくはあるが、本音の投稿」であるように思えます。Facebookに知らない人が増えすぎて、投稿する際に人目を気にするようになりますが、なにかを発信したいという人もいるはずです。そこで友人でPathをやっている人がいればPathに以降していく確率はあるかなと。この傾向は仕事関係等でFacebookフレンド数が無駄に膨れ上がった女性に顕著になると思われます。

Pathの制限フレンド数は以前の50人から150人に緩和されたようですが、 ここにいくつまでの「グループ/小コミュニティ」が内包されうるのかという点が興味深いです。人は誰しもがいくつかのコミュニティに属しており、特定のコミュニティでしか通用しないネタは多いでしょう。

グループチャットにもたしかにニーズはあるのでしょうが、各グループにわざわざ投稿したいネタを振り分けるのはめんどくさく、それこそこの点はFBグループで十分補完できるのかもしれません。ただFBを開くとどうしてもタイムラインが気になってしまうこともあり、Pathへの移行は考えられる未来かなと思います。グループチャットではなくPathということ。

LINEは家族や恋人の淡白なコミュニケーションに彩りを

各メディアで報じられているのでLINEに関する詳細な説明は割愛します。人間の最小コミュニティ単位である家族や恋人という1to1のコミュニケーションツールであり、携帯メールの代替という側面が大きいでしょう。センターピンは無料通話ではなくスタンプによるコミュニケーションであったことは明白で、ユーザーは皆スタンプに魅せられています。

よってtwitterのDMやFacebook Messageと完全に競合するわけではないかなと。(LINEで仕事のメールをする人はそこまで増えないかなと)今後はスタンプ課金を見込んでいるとのことですが、ガラケーでデコメ市場が成立していた過去からもそれに代替する規模がスタンプの市場となり、それをそのまま寡占できる可能性が高いLINEの未来は明るいでしょう。

1to1のコミュニケーションでは不動の地位を築きつつあると思われるLINEですが、私が今後注目したいのが「グループチャット」機能です。 LINEのグループチャット機能がかなりアクティブに使われるのであれば、Pathの出番はないのかもしれません。もしくは共存があり得るのか?という点が興味深いです。

LINEの独壇場になるのか、Pathに出番はあるのか、という点に関して一つの定点観測地点となるのが「サイバーエージェントの女性社員(以下CA女子)」です。実は私はwebサービスが伸びるか否か(キャズムを超えるか否か)を判断する際に定点観測するスポットをいくつか持っていて、その有力な一つがCA女子なのです。CA女子だけで1記事書けてしまうので今回はその理由は割愛しましょう。マスに浸透する兆候のあるwebサービスを知りたければCA女子複数からガッツリヒアリングすることが近道といえるでしょう。

まとめ:グループチャットなのかPathなのか、に注目

twitterはピークを過ぎ、これから国内でピークを迎えるであろうFacebookにも「いいね!」が「ヨクナイネ!」に転換されたり、「フレンドではない知り合いが多くなりすぎて投稿しにくい」という死角があり、1to1でのLINEの絶好調ぶりが見えているコミュニケーションツール市場ですが、次のブレイクはPathなのかどうかの兆しが見えてくるか否かが今年一杯でしょう。

グループチャットなのか、Pathなのか。という観点です。

ということで私と仲が良いと思っている方はぜひPathでリクエスト申請をして下さい。リジェクトされた場合は私がPathほどの仲の良さではないと思っているということですw 今後、接する頻度が多そうな人であればカムカムです。

Pathが上記の3強に割って入るかはわかりませんが、この4つのコミュニケーションツールの使い分けによって各々のツールの利用時間が徐々に変化していくでしょう。

ちなみにLinkedinは日本ではFacebookがLinkedin的な利用の仕方をされてしまっているので、キャズムを超えることは当面ないと予測します。

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